総社文学会

総合文芸誌「総社文学」昭和47年 創刊

「総社文学」2021 Spring(Vol.185) 編集後記

 「総社文学」2021 Spring(Vol.185) 4月1日発行       

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【 編集後記 】 

 雨の降る音について考えている。
 「雨の降る音」とは、どのような音を言うのだろうか。「雨の降る音」と聞いたとき,それぞれが様々な雨の音を思い浮かべる。
 しかし,考えてみれば、降る雨自体には音がない。となると、それは「雨が降って何かにあたる音」ということになる。
 文学作品の中に「雨の降る音」という記述がある場合、その作品の中で作者が表現しようとしているのはどんな雨の音なのか。雨が何に、どのようにあたっている音なのかということを鑑賞することが大切になってくる。
 日頃、読み流してしまいがちなひと言にこのような落とし穴が存在するのである。
 
  編集発行人 矢吹 恭孝