〈疎開宅前の説明文〉
-名探偵金田一耕助誕生の家-
世界的な推理文壇の大御所横溝正史氏とその一家は、太平洋戦争末期、東京での戦禍を避けて、ここ真備町岡田で疎開生活を送った。
当時、軍部の圧力で探偵小説を書くことができなかった正史は、岡田地区の人と交わり、畑でジャガイモ作りなどに精を出した。
しかし、いつの日か本格的な長編作品を書きたいと考えた正史は、東京から運んだ蔵書を読み、地区の親しかった人達から農村の因習、農漁民の生活などの話を聞き、作品の構想をあたためた。
戦後、正史が日本で初めて本格理論的な推理小説を拓いた「本陣殺人事件」「獄門島」「八つ墓村」など多くの名作が、この地で発表され世界の文壇に踊り出た。
名探偵・金田一耕助は、「本陣殺人事件」で磯川警部と共に初めて正史作品に登場した。正史の日記によると彼・耕助は、昭和21年4月24日この家で生まれたことになる。
倉敷市文化振興課
【アクセス】横溝正史 疎開宅
倉敷市真備町岡田1546
JR伯備線「清音駅」から井原線「川辺宿駅」下車(徒歩40分)
「倉敷駅」又は「新倉敷駅」より自家用車(約20分)
〈撮影〉矢吹恭孝